低反応レベルレーザーの効用

半導体レーザーによる装置の開発・低反応レベルレーザーの効用とは

半導体レーザーによる装置の開発

まずは、「創傷の治療」です。創傷の治療と低反応レベルレーザー治療を結び付けたハンガリーのメスターは、マウスの皮膚に微量のレーザーを照射すると発毛促進が起こることから、適量のレーザー照射が生体の活性化を促すことを確信し、創傷の治療に応用しました。

創傷・腫瘍の場合、皮膚組織自体に自然治癒の働きがありますが、からだのその他の機能低下で治りにくくなるケースもあります。レーザー照射はそんな場合に効力を発揮します。腫瘍の場合、欠けている組織に新しく血管をつくり肉芽といわれる組織を増やします。

肉芽組織で埋められた表面を上皮組織が覆い治療します。また、「痛みをやわらげる治療」いも効果があります。レーザーのハリ治療は本家の中国式より治癒率が高いことも証明されました。

半導体レーザーによる装置の開発により、病気や症状に合わせて神経系、血管系、リンパ系の3つの他に、ハリや灸のツボを加えた治療にもレーザーは普及しています。

レーザーの刺激の強さと生体への反応とは

「あらゆる刺激はそれが弱い刺激である場合、生体への反応を助長し、中程度の刺激はさらに助長する度合いを高め、強い刺激はこれを抑制し、さらに強い刺激は停止せしめる」19世紀後半に2人のドイツ学者、アーンツ・ルドルフとシュルツ・ヒューゴーが唱えた『アーンツ・シュルツの法則』です。

この刺激をレーザー刺激に当てはめ、レーザーと特に関係の深い光熱刺激を取り上げて法則に沿って説明すると、レーザーの出力とエネルギーが低いときは生体は反応しません。レーザーの刺激がある程度高くなると光生物学的活性化が起こり、それより高くなると抑制または破壊が起こりだんだんと生体の反応は止まってしまいます。

つまり、レーザーの刺激がある程度高くなったところの刺激の治療が低反応レベルレーザー治療で、それより高くなったところの治療が高反応レベルレーザー治療と呼ぶことができます。

低反応レベルレーザー治療(LLLT)とは

低反応レベルレーザー治療は、生体組織を活性化するものを意味します。40℃以下のヒートスポットの反応を利用した熱反応(36.5~40℃)のほかにも、光電気反応、光磁気反応、光化学反応、光免疫反応、光酵素反応などがあります。これらはすべて同時に起こります。

また、これらの各種反応は、波長の書類によって反応の仕方が異なっています。低反応レベルレーザー治療の応用例としては、難治性腫瘍の治療、各種疼痛の緩解のほか、浮腫、しびれ、麻痺、血行不全、リウマチ、アトピー性皮膚炎、白斑などに対する治療があります。

高反応レベルレーザー治療(HLLT)とは

高反応レベルレーザー治療の反応は、生体組織を破壊するものを意味しています。光を皮膚照射したとき、表面で反射する光と組織内を通過する光とに分かれます。波長の種類によって散乱のパターンは変わり、光の濃度も違ってきます。

レーザーが直接あたった中心部(ヒートスポット)から、周辺に離れるにしたがってエネルギー密度が弱くなっていき、それぞれの段階によってさまざまな反応を起こせます。高反応レベルレーザー治療の範疇では、ヒートスポットから順に、炭化焼却・蒸化(100℃以上)、血液凝固(68℃以上)、蛋白変性(40℃以上)という反応が起きるのです。

これらの反応パターンは、皮膚の中で同時に起こっています。中心部のヒートスポットの出力密度やエネルギー密度を変えることによって、炭化焼却・蒸化を利用する治療、血液凝固、あるいは蛋白変性を利用する治療等、さまざまな治療への対応が可能なのです。

これらの反応を用いた治療法は、炭酸ガスレーザーによるレーザーメスをはじめ、アザ治療を行うアルゴン、ルビーレーザー、腫瘍を蒸散させるヤグレーザーなどがあります。